経済産業省は8月31日、「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」と「価値協創ガイダンス2.0」の策定をリリースした。
背景として、国内外を問わず、サステナビリティへの対応が長期的かつ持続的な価値創造に向けた企業経営の根幹をなす要素となりつつある中、経済産業省では、昨年5月にSX研究会を発足。SXの実現に向けて企業や投資家等に求められる取組を具体化させるための議論の成果として今回の策定がある。
「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」、「価値協創ガイダンス2.0」の概要を下記に引用
<伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)の概要>
- 日本企業の長期成長に向けた投資の伸び悩みや、国際的にサステナビリティへの対応が長期経営の根幹をなす要素となりつつある状況は、日本の企業・投資家をはじめとするインベストメントチェーン全体にとって試練であるとともに、チャンス。
- SXの実践こそ、これからの日本企業の「稼ぎ方」の本流となっていく。
- 企業が投資家等との建設的な対話を通じ、従来の企業活動の延長線上にはない非連続的な変革を加速することが重要。
- SXの実現のための具体的な取組としては、以下の三点が挙げられる。
- ⅰ. 社会のサステナビリティを踏まえた目指す姿の明確化。
- ⅱ. 目指す姿に基づく長期価値創造を実現するための戦略の構築。
- ⅲ. 長期価値創造を実効的に推進するためのKPI・ガバナンスと、実質的な対話を通じた更なる磨き上げ。
- バリューチェーン全体(中堅・中小企業やスタートアップを含む)やインベストメントチェーン上の多様なプレイヤー(運用機関・アセットオーナー、証券アナリスト、ESG評価機関など)も含め、日本全体でSXを効果的に推進していくことが必要。
<価値協創ガイダンス2.0の概要>
- ガイダンスの全項目において、持続可能な社会の実現に向けて、企業が長期的かつ持続的に価値を提供することの重要性と、それを踏まえた対応の方向性を明記。
- 項目「長期戦略」を新設。
- TCFD提言における“ガバナンス”、“戦略”、“リスク管理”、“指標と目標”の開示構造との整合性を確保。
- 項目「実行戦略(中期経営戦略など)」において、人的資本への投資や人材戦略の重要性をより強調する構成へと組み直し。
- 項目「実質的な対話・エンゲージメント」を新設。
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https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220831004/20220831004.html
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